サクラダリセット

 ループもの3さつめ。
 今までの記憶を完全に保持できちゃうケイ(主人公)と、世界を最大3日分元に戻せちゃう春埼(ヒロイン)が、猫を救う依頼を受けるところから始まるちょっとした超能力バトルの話。
 春埼のリセット能力が、好き勝手に使えるわけじゃなくて、あくまでもケイの「リセット」っていう指示が無ければ発動しない事がちょっとしたアクセントになってて、まー話としては割りと面白かったんだけど、個人的には今にも「やれやれ」とか言い出してパスタを茹で始めかねないっつーか、ちょっと気取った感じで世間をシニカルに描写してみました的な文章に背中がムズムズしたのであんまり好きじゃない。
 例えばこういうの。↓


 焼きたてのパンは美味しかった。それは意外なほどに。世界中のパンの大半は、おそらく焼きたてなら十分に美味しいのだろう。タイミングさえ間違えなければ、大抵のものは上手くいくのだ。外れたタイミングで物事が進むことが多いだけで。
 こんなの、「焼きたてのパンがすげー美味かった!」でいいじゃん。
高校生風情が何知った顔して「タイミングさえ間違えなければ、大抵のものは上手くいくのだ」とか言ってんの、馬鹿なの?死ぬの?とか思ったけど、もしかしたら或いは「世の中を知ったような顔して語るちょっと痛い高校生」を再現しようとしているのだったら、その試みは計算通りに上手くいっているのかもしれないなぁ。